私のご先祖様は山梨県東八代郡一宮村（現在の山梨県笛吹市）の出身であります。ぶどうともも畑に囲まれ、甲府盆地を見下ろす事ができる長閑な田舎町であります。
女手ひとつで育てられた父親兄弟は、とても貧しく辛い生活だったと聞いております。

父が19歳の時、当時名古屋市の大曽根で電気工事店を営んでおりました、叔父を頼りにこちらへ来たのが伊勢湾台風の翌年。昭和35年であります。
それが前身となる「鈴木電気工事」の第一歩です。そこで厳しい修行時代を過ごします。

お礼奉公ののち、丹羽郡扶桑町の電気工事店へ。
三菱重工や三菱自動車へ出入りのありました電気工事店でお世話になり、昭和52年に丹羽郡大口町で起業独立を致しました。
母と二人三脚。
せわしく働いてくれていた両親。
起業当初は順風満帆ではなかったと思います。
しかし、弱音を吐くことなく一生懸命頑張ってくれた姿は、今でも鮮明に覚えております。

母の希望もあり私は高校卒業後、一般企業に就職を致しました。
数年経った時、「自分は何のために働いているのか」。「誰のために働いているのか」。
自問自答を繰り返すようになりました。
毎日始業から終業まで同じ作業の繰り返し…
そんな私の異変に気が付いてくれたのか。取引先のお客様が声を掛けてくださいました。
自分の気持ちや家業の話をすると開口一番、
「家業が気に掛かっているから悩んでいると思うよ」。「迷うことはない」。「親父さんのあとを継げばよい」。
と助言してくださいました。
それからはお会いするたびに真剣な目で語り掛けてくださいました。

その方にけつを叩かれ、家業を継ぐ覚悟を決めたのが26歳の時。
退職後、修行をしながら独学で電気工事士の資格を取得いたしました。

サラリーマン時代に悩んだ時間も経験も、今となっては商売の役にたっていると思います。
また背中を押してくださった方にも心から感謝をしております。
五月に父の体調不良により急遽、代替わりをさせて頂き「すずきでんきこうじ」として新たに生まれたばかりの小さな電気屋さんです。
大きな電気工事店さんには敵いません。
しかし、小さな店にしか出来ないきめ細やかな心遣い。
ご提案や仕事に対する真剣さは誰にも負けません。

両親と同様、今は嫁と二人三脚。父の背中を追い、近い将来越せるように努力して参ります。
どんな些細な仕事でも構いません。一度、連絡をいただければ幸いに存じます。